死の告知を受けたら、まず、家族や主立った親戚に連絡します 。
本人に会わせたい人をリストアップし 状況に合わせて連絡します。
本人が何を望んでいるか?亡くなったら何が分からなくなるのか?
あとから悔やむことが無いように家族として、今できることを考えてみます。
担当医と連絡を取り合い、病気の進行状況や医療方針を十分把握し、精神的状態を知った上で末期ケアに臨まなければなりません。
献体や臓器提供を希望する場合は、あらかじめ届け出ておきます。
ご自宅での介護の場合、お医者様への緊急の際の連絡方法を相談しておきましょう。
その上で、もしもの時に備えて、以下の必要な事柄をまとめておきます。
1.連絡先の名簿を作成しておく
2.遺影写真の準備
3.宗旨宗派の確認
4.搬送先を決めておく
5.葬儀の予算、規模などある程度決めておく
6.本人の着替えを用意
できるだけ、葬儀社と事前の相談をし、搬送から依頼される方がよろしいかと思います。
「葬祭業者には大きく分けて「専門の葬祭業者」、「冠婚葬祭互助会」、組合員を対象にした「JA(農業協同組合)」や「生協」などがあります。
最近では、不動産会社やホテル、あるいは鉄道会社なども葬儀を行っているところがあります。
しかし、良い葬儀社とは、こうした会社の大きさや知名度ではかれるものではありません。
やはり、直接お話になって、その会社の方針や担当者の人柄をご自身で確かめることが大切だと思います。
葬儀業者のなかにも、葬儀専用会館などの設備に力を入れているところ、病院からの搬送に力をいれているところあるいは出来るだけ投資を抑え地域密着をめざしているところなどそれぞれに特色があり、得手不得手があります。
設備や搬送に力を入れているところは起動力あるいは設備は整っていますが、融通性に欠ける面があり、地域密着を目指しているところは、起動力・設備面では劣るものの費用や内容面で細かな相談に応じてもらいやすいと言った利点もあります。
どちらがよいのかは依頼されるご家族の方の希望に関わってきます。
少なくとも、何処に依頼しても同じというわけではありません。
悲しいことですが、業者の中には自社の利益だけを追求しているところもないわけではないのです。
以下に、葬儀社を見分ける上でいくつかのポイントを記しておきます。ご参考下さい。
1.こちらの話をよ聞いてくれるかどうか
2.希望にあった提案をしてくれるかどうか
3.見積を提示してくれるかどうか
4.対応が丁寧かどうか
5.出された提案や見積に対してしっかりとした説明ができるかどうか
こちらの話を聞いてくれない。一方的に話をする。事務的な対応である。見積に対しての説明がない。などは論外です 。
最近ではよほどの事が無い限りお寺様とおつきあいすることも無くなりました 。
それを危惧して色々と趣向をこらしてもっとお寺に親しんでもらおうと努力し ているご住職もおられます。
ご自分の宗派がわかっている場合は、問題は少ないのでしょうが、わからないケースが多いようです。
実家なり生家に聞けばお分かりになると思いますが同じ宗旨でもいろいろな派があり、宗旨宗派が同じお寺をご自宅近くで見つけるのは困難なことも少なくありません。
多くの場合、葬儀社で紹介していただけます。
私個人としては、お近くに本当に信頼のできるお寺があればそれが一番だと思うのですが....
まずあわてないことです。
あわてず、かかりつけのお医者様へ連絡しましょう。
死亡の確認はお医者様でなければできません。
病院であれば問題ないでしょうが、ご自宅で看取られる場合はかならずお医者様に来ていただきます。
次に、落ち着いて家族や親戚に連絡します。
葬儀の日程も少しゆとりをもって考えると気持ちにも余裕ができます。
(その日は家族だけで過ごす仮のお通夜にするぐらいの気持ちで)
依頼する葬儀社が決まっていれば、その葬儀社に連絡します。
病院であれば搬送から依頼すればよいでしょう。
(搬送先をどこにするのか決定しなければなりません。)
葬儀社には、故人名、家族の名前、病院名と病室(住所がわかれば住所も)、連絡先の電話番号は最低限伝えます。
宗派によって用意するものが違いますのでわかれば宗派を伝えておきます。
搬送先が自宅ならば、自宅に安置するためのお布団なども用意しておきます。
なお、依頼する葬儀社が決まっていなければ、葬儀社選びから考えなければなりません。
事前相談では、葬儀の費用についてのご相談が多く、事前に見積を希望される方がほとんどです。
事前に見積を取っておくことで、比較検討ができるメリットはあるのですが、葬儀社によって見積の項目や内容が異なり、なかなかわかりにくいのも事実です。
そこで、
1.総額の費用はいくらになるのか?
2.含まれるものと含まれないものは何か?
3.状況によって変動するものは何か?
を最低限、確認しておきたいものです。
しかし、葬儀の場合、金額で計り知れない部分もたくさんあります。
もちろん金額の比較検討はとても大切だと思いますが、単に金額の比較だけではなく、担当者の人柄、知識の豊富さ、葬儀社の雰囲気などもしっかりと確かめておかれるべきだと思います。
見積のわかりやすさもさることながら、話をちゃんと聞いてくれる。あるいは、要望をしっかりと受け止めてくれるかどうか?
押し付けがましくないかどうか?出される提案が一遍通りなものや一方的でないかどうか?などなど。
葬儀の場合、日時、天候、火葬場や式場の状況など、そのときどきの変化に合わせて対応をしていかなければなりません。
ベテランの担当者であれば、そういったことを踏まえて様々な提案を丁寧にわかりやすくしてくれると思います。
葬儀も終わってやっと一息
でも、その後の手続きになにからはじめてよいのやら・・・
法事については、別の質問でお答えするとして、
まず、お香典の整理から始めます。
あいさつ回りや遺品の整理を進めながら各種の手続きを済ませていきます。
手続きには、大きく分けて次の3つの項目に分けられるかと思います。
●公的機関への申請や届出
相続税や死亡者の準確定申告
年金・健康保険・介護保険の申請、届出、請求あるいは停止
●財産に関わる手続き
不動産の所有権移転登記
自動車の名義変更
預貯金の引き出しまたは名義変更
生命保険金の保険金請求手続
知的所有権の名義変更
ゴルフ会員権名義変更 等
●その他の手続き
法人や団体の退会・脱会届等
各種サービスの解約または名義変更等
(水道・ガス・電気・電話・NHK受信料などの公共料金とクレジットカード・新聞や雑誌の定期購読・会費の必要な会員制サービス等の民間サービス)
臨終から忌明け法要までは、7日目ごとの法要があります。
初七日(しょなのか)忌、二七日(ふたなのか)忌、三七日(みなのか)忌、四七日(よなのか)忌、五七日(いつなのか)忌、六七日(むなのか)忌、七七日(なななのか)忌の7つです。
初七日は死亡日(あるいは死亡前日)から7日目に行ないますが、現在では遠隔地から出向いた近親者を考慮して、葬儀の当日、還骨法要と共に行なうことが多くなりました。
なお、忌明け法要も早くなって、五七日忌(35日)に行なうことも少なくありません。
忌明け法要の後は「百ヶ日」の他、祥月命日(亡くなったその日)に、「一周忌」(一年目)、「三回忌」(二年目)、「七回忌」(六年目)、「十三回忌」(十二年目)等の法要を、 行うのが一般的です。
初七日などの法要は、関東では死亡日当日から数えて七日目に行いますが、関西では、その前日を逮夜として逮夜の日に法事を行うのが多いようです。
仏壇は「家庭内のお寺」と言われるように、本尊をまつり、朝夕おまいりするものです。
そして、仏となった故人や先祖を供養するために、位牌を安置しておまいりするものです。
むかしは、どの家にも仏壇があったものですが、核家族化が進むことにより、家そのものが一代限りといった考えになってきたためでしょうか?身近な人が亡くなり、はじめて仏壇の購入を考える人が多くなりました。
忌明け法要が終わるとそれまで故人の遺骨や白木の位牌を安置していたものは片付けてしまいますので、できればそれまでに用意すればいいと思います。
忌明け法要のときに、開眼供養を合わせてしていただくこともあります。
間に合わない場合やじっくりと時間をかけて選びたいといった場合はこの限りではありません。
日本における古い習慣の中で、「死」は、身近に無い方がいい事柄とし、「ケガレ(気枯れ)」と考えて遠ざけて(忌んで)きました。
忌中というのは、自分が「忌むべき状態にある」という意味で、おおよそ、忌明けが終わる49日間(50日間)は、外に出ず、神社の参拝もしてはいけないことになっていたそうです。。
明治になっても、あちこちで長い忌中休暇(死穢50日)をとる者があって、役所や学校などで支障が出はじめました。
政府は、1874年(明治7年)太政官布告を出してこの忌中期間を見直しましたが、それでも政府自体も守れる制度ではなかったようです。
皇室でも、戦前は皇室服喪令という法令がありましたが、現在はもう廃止されています。(皇室では今でもこれに準じて運用されているそうですが・・・)
宗教的な意味合いをもったものだとすれば、神道に限られたものとなります。
(でもそんなの関係ない)
難しい話は抜きにして、時代とともに、服喪に対する考えも変わってきているのが現状。
法令や宗教的意味合いをはなれて社会的習慣としてとらえたほうが、気が楽かもしれませんね。
埋葬に関するご相談は少なくありません。
子供がいないご夫婦、身寄りのないお年寄り、あるいはご夫婦で両家の親を見なければならない、子供はいるが継承者がいないなどなど。それぞれに様々な事情があります。
家族形態の変化や「死」に対する意識の変化により、遺骨をどうするかといったご希望は多様化しています。
散骨をはじめ、遺骨をペンダントやプレートにして、自宅に安置したり、できるだけそばにおいておきたいといった希望もあります。
大きく分けて、
1.従来どおりの埋葬を希望される方
2.散骨をされる方
3.自宅で安置される方
の3つに分類できるかと思います。
2や3については、新しい葬送の仕方で、いわゆる宇宙葬などもこれにあたるかと思いますが、まだまだ、1の埋葬を希望される方が多いのが現状です。
さて、一口にお墓といっても、
所有しているのが寺院なのか民営なのか公営なのかによる分類
個人墓、家墓、夫婦墓、共同墓、両家墓など家族形態の違いによる分類
ロッカー式、納骨壇型式、霊廟型墓所、一般墓、壁面墓所といった形式の違いによる分類そして、どのように分類して良いのかわかりませんが、
寺院や霊園に管理や供養までを任せる永代供養墓というのもあります。
とても、ややこしい話ですが、選択肢がたくさんあるとお考えください。
家族でよく話し合われることです。
なお、納骨の時期というのは特に決まってはいません。
挨拶のポイントは3つあります。
1.ご会葬いただいた事へのお礼
2.生前中のお世話になった事への感謝の気持ち
3.これからの事のおねがいと決意
もっと簡潔に言えば、「現在・過去・未来」と覚えておきます。
今日はありがとうございました。
今までお世話になりました
これからも頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします。
といった具合です。
あまり、形式張った挨拶よりも自分の言葉で話した方が、伝わるものがありますから普段話している様なつもりでお話しされた方が良いと思いますね。
ただ、葬儀に際して挨拶することがあまり負担になるようなら、元も子もありません。他の親族や司会者に代弁してもらっても構いませんよ。
挨拶の場もお通夜、告別式、仕上げのお食事の際と合計3回あります。
以下にそれぞれの例をあげておきますので、参考になさってください。
お通夜
(例)
本日は、お忙しい中、(母)の通夜に集まってくださって、本当にありがとうございました。皆様の暖かいお気持ちに故人もきっと喜んでいることと思います。
お通夜に時間の区切りはありませんが、夜も更けてまいりました。
明日のお勤めにさわりましてもいけませんので、どうぞお気遣いなくお引き取り下さい。
なお、告別式は明日○○時よりこちらで行います。お時間が許すようでしたら、ご会葬いただければ幸いです。
告別式
(例)
本日は、お忙しい中、わざわざご会葬くださいまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、無事、葬儀を終わらせていただくことができました。
なお、生前中は、皆様には大変お世話になり、こうして最後のお見送りをいただいて、故人もさぞ喜んでいることと思います。
また、逝去以来、たくさんの方からお悔やみのお言葉や励ましのお言葉をいただいて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
これからは、故人との思い出を大切にしながら、家族心を合わせて頑張ってまいりますので、どうぞ故人同様に温かいお力添えをいただけますようよろしくお願い致します。
本日は、長時間、最後までありがとうございました。
仕上げの食事の前に
(例)
昨夜、本日と亡き○○の葬儀に大変お世話になり有り難うございました。
皆様のお力添えにより、無事葬儀を終えることができました。
ささやかではございますが、精進落としの膳を用意いたしましたので、しばらくおくつろぎいただければと思います。
本日は有り難うございました。
元来、生花や樒(しきみ)は人柱からきているとか神社やお寺に献上される献灯の代わりだとか言われています。
たくさんの生花や樒がお供えされることで、たくさんの仏様に見守られて旅立たれるようにと願いが込められていたそうです
特に、式場入り口にあげられる樒は他のものより大きなものを備え、お寺の山門にある仁王さんを表したものだと言われていました。
この門を通る際は心を清らかにしてお通り下さいという意味っだったのでしょうか?
地域によっては外には樒ではなく花輪を供えるところもありますが関西では火に見立てた炎方の樒が用いられています。
邪気を払うとともに、遠くからあそこが式場であることがすぐに解るようにと先人の方々の知恵だと言えるでしょうか....
さて本題ですが、本来ならば祭壇に近い部分から血族の近い順に並べるべきでしょうが、大阪では多くの場合、親族一同というものをまずお供えします。
この親族一同を供えることで親族全て含めているとして、その次に関連会社や業界関係を優先される事が多いようです。
特に表に飾る樒に関しては、会葬者の一番目につくところだからとして、親族以外からいただいた方々を優先されていることが多いようです。
一概にこうでなくてはいけないなどといったことはありません。順位がつけがたい場合は順位不同などの表記をしておきます。
話はそれるかも知れませんが、大阪の方では焼香順位ともうしましても、親族の焼香順位と自治会をはじめ会社や団体などの代表焼香というものがあります。
葬儀の規模や形式、また地域などによって焼香順位の作り方も様々なのですが、これがまたどちらのご遺族にとっても悩みの種でございましてできることなら適当に焼香してくれたらいいのにと思ってしまいます。
昔は親族の焼香順位の作成にあたっては、相続とからみあってかなりもめたところもあるとか.....
しかし、最近では焼香順位のもつ意味も少しづつ変わってきているのではないでしょうか?
一つは、決められた時間内に葬儀を執行し出棺時間を遅らせないようにするために
そしてもう一つは、故人を偲びつつ親族や故人と関係のあった方々を整理するために
そのようにお考えいただければ、お焼香順位の作成も決して無駄なことではなく、必要なことだと言えるかもしれません。
「葬」とは死体を草により上と下で覆うと書きます。
上の草は花と解釈してもいいかもしれません・・・
さて、死者を葬る一連の儀礼を葬送儀礼と言い、私達は「葬儀」と略して呼んでいます。
歴史的に見ると旧石器時代から、すでに遺体に対してなんらかの処置がなされていたようですが、古来より儀式として行われていたとおもわれます。
現在でも世界中で行われていることを考えれば、葬儀が、国や宗教、政治を超えて、社会的にとても重要な意味を持っているといえます。
葬儀の役割について、ある先生は
1) 社会的役割(社会的な処理)
社会にその人の死を告知する、死亡届、戸籍、相続など
2) 物理的役割(遺体の処理)
土葬、火葬など
3)文化・宗教的役割(霊の処理)
死者の霊を慰め、「この世」から「あの世」へ送り出す、あの世での幸せを祈る
4)心理的役割(悲嘆の処理)
悲しみにある人々の心に寄り添い、慰める
5)社会心理的役割(さまざまな感情の処理)
崇り、死霊への恐怖感の緩和
6)教育的役割
いのちの大切さ、生あるものは必ず死ぬべき存在であることを知らしめる
-参考文献-「葬儀概論」 碑文谷 創 著(表現文化社)
と6つに分類して説明しています。
宗教的役割が薄れている様な気がしないでもないですが、悲しみや苦しみの状態にいる遺族にとって、信仰や宗教的儀式がひとつの解決を与えてくれているようにも思います。
無宗教だからといって宗教を持たない人の葬儀のことではありません。
従来は、社葬や団体葬といった規模の大きなご葬儀の際に、宗教色を出さない方が良いという考えの基に無宗教という形がとられることがありました。
現在では、個人葬においても本人や家族の希望で行われることも少なくありません。
一般的に従来の形にこだわらず、宗教者を招かずに葬儀をおこなう事を無宗教葬と呼んでいます。
形式に決まりがあるわけではないので、自由な発想の元に進めればよいのですが、それだけに、どのような形にするのか?よく話し合って決めていかなければなりません。
いくつかの注意点がありますのでご参考に
1.家族や親族の同意は取れているか?
まだまだ、宗教者を呼ばない葬儀への理解は少ないように思います。
生前から、家族で話し合ったり、親族の同意を求めておく事も大切だと思います。
エンディングノートなどを利用し、本人の希望を書き留めておくのも良いかもしれません。
2.遺骨をどうするのか?
菩提寺にお墓があるばあいなど、そのお寺様の同意をえないと納骨できないことがあります。
3.あとあとの法要をどうするのか?
法要に代わる記念日などをつくっても良いかもしれません。
家族でよく話し合っていただきたいと思います。
4.その他の注意点
無宗教でのご葬儀をご希望される場合、それぞれに事情とお考えががおありのようです
私どもも、まずお話を伺うことからはじめます。
それだけに打ち合わせに、時間を要する場合もあります。
ご希望やお考えをしっかりと担当者に伝えることが無宗教で行う上でとても大切だと思います。
ご相談の中で最も多いのが葬儀費用についてです。
「いったいいくらくらい、かかるのだろう?」あるいは「相場がいくらなのかわからない」といった不安があるのは当然のことだと思います。
しかし、葬儀の費用は、葬儀の規模も内容もご家族によって異なりますので、「相場」というものがとても出しにくいのです。
弊社の場合は、別の項(様々な葬儀の項目)でのべていますので、ここでは一般的なお話をさせていただくとして、あえて目安をのべるとすれば、
ここ数年の間にお葬式を出した人が、葬儀社に支払った費用は、
120~180万円(お布施は別)という人が最も多いのではないでしょうか?
もちろん、先ほど述べたように、地域や条件によって異なるのが葬儀費用ですが、「ごくごく標準的なお葬式」であればこれぐらいの費用を目安にすればよいかと思います。
日本消費者協会のアンケート調査(「葬儀についてのアンケート調査」平成15年9月)による数字では236万とか???正直あの数字はあまり信用できないです。
実際、現場で実感するのは、あれほど高額な金額はめったにないというのが正直な気持ちです。(うちだけなんでしょうか?)
工夫をすれば、100万円いないに抑えることも十分に可能だと思いますよ。
とても多くまたお答えしにくいご質問です。
10万円までのお布施で済むところもありますし100万円以上されているところもあります。
一概にいくらぐらいと言えないのが現実です。
お寺様にお伺い されるのが一番なのですが、おいくらでも結構ですよ言われるご住職も少なくありませんし、逆にまた「1000円でもお布施はお布施でしょ!」って言われる方もなきにしもあらずなのですが.....。
(これでは全く答えになっていませんよねー!でもこれが現実なのです)
さて、
お布施とは僧侶がお経を読むことに対しての報酬ではありません。
お布施の上書きに読経料と書かれることもあるようですが、これは大きな誤りです。
また仏教では僧に対しても、「布施無き経を読むな。」といわれていますし私利私欲のために布施を使うなと戒めています。
地域によっても宗派によってもご葬儀を出される方の経済的なことも色々な事が関わってまいりますが、ここで一つの目安として次のようにお考えいただけ ればどうでしょうか?
1.ご自分の年収を基準に考えるいかがでしょうか?それぞれに決まった金額でないのがお分かりいただけるでしょうか?
もてなす心のあり方は金額では計り知れないものがあると思います。
あえて一般的なところでお話しますと、20万から30万ぐらいを一つの目安にお考えいただければと思います。
関東の方では、戒名料など別に必ずお包みするようですが、大阪近辺では院号や居士などの位を特別にお願いしない限りお布施に含めていることが多いですね。(一概にはいえませんが)
とはいうものの、お寺様や地域によってある程度の相場のようなものがありますので直接ご住職におうかがいするか他の檀家さんに相談されるのがよろしいかと・・・
それでも分からないときは、葬儀社の担当者に相談してみましょう。
これも、よくあるご質問の一つです。
多くの方が葬儀費用に関する不安から、最低の金額を比較検討の目安としておられるのかもしれません。
ただ、どんなご葬儀を想定なさっておられるのかなんともつかみがたいところもあり、よくよくお話を伺いながらお答えさせていただいています。
火葬だけで良い、と言うお考えならば、必要最低限はお棺と火葬場へお送りするための霊柩車そして収骨箱だけでよく、火葬場手配などをはじめとした人件費も一人でまかなえるでしょう。
このケースだと葬儀社にもよりますが10万から20万程度+火葬料金で可能だと思います。(火葬料金は利用する火葬場により1万円から6万円と開きがあります。)
最近、葬儀一式○○円とか○○円ぽっきりで葬儀が行えますといったチラシをよく見かけるようになりました。
安さばかりを打ち出したチラシを見ると、正直「本当にこれで大丈夫なの?」と思ってしまいます。
いくら、原価を抑えたとしてもかかる経費が私たち同業者には見えているだけにちょっと考えてしまいますね。
葬儀は、たとえると家を建てることに似ています。
お客様のご要望に会う土地を見つけ、材料も予算と希望に合わせて仕入れ、建築していきます。
しっかりとした安心できる家を建てるためには、信頼のおける設計士、腕のいい大工を雇いキッチンはどれにしようか、お風呂はどれにしようかと相談していくわけです。
当然、担当者は、材料や商品に対しての知識もしっかりと持ち合わせていなければなりませんし、そこに住む家族や生活のことを考えながら、何よりもそこに住む人が幸せに暮らせるようにと願いながら満足いただける家造りを提案していくわけです。
費用を抑えようと思えば、都会に建てるよりも、郊外の人里離れたところを選び、経験の浅い学生に設計させ、アルバイトを雇って大工仕事をさせればかなり安くつくでしょう。葬儀も同じ事が言えます。
安さを優先した、建物は、何時、壊れるか分からないとても不安なものとなるでしょうし担当者もそこに住む人の事など考えてなんていられないでしょう・・・?
結局、安ければよいという比較検討は、あまりお勧めできません。
費用を抑えたいならばその抑えたい希望をしっかりと伝え、担当者から提案される内容やその人柄をよく検討された方が良いと思います。
インターネットの普及により、他社のプランや価格をはじめ、企業理念や営業方針などとてもオープンになり、おなじ業界のものとしても大変参考になっています。
弊社の葬儀価格に対する考えは別の項で詳しく述べていますのでそちらをご参照下さい。
さて、いろんな葬儀社さんの価格設定を見てみますと、大きく分けて2つの形が見えてきます。
一つは、基本葬儀費用、祭壇料、として主に祭壇の飾り付けの金額を表しているもの。
そしてもう一つは、葬儀一式○○プランといった必要であろう品目をある程度組み込んだセットプランと言われるもの。
基本葬儀費用とか祭壇料とされるものは、祭壇の貸出料金と思われがちですが、実際には、それに関わる人件費や諸経費が含まれています。
セット料金との違いは、棺や霊柩車などが、含まれていないことが多いようです。
それぞれにご希望に合わせて、別に注文する事になります。
セットプランと言われるものは、あらかじめ、霊柩車や棺をはじめとした必要であろう品目を組み合わせたものです。
大まかなものはそろっているとは言っても、葬儀社によってセット内容が異なり、お通夜や葬儀の時にお渡しする粗供養品や料理などは含まれていない事が多いようです。
何が含まれているかよく検討する必要があります。
また、セットだから安くなっていると思われがちですが、それぞれに見積もってもあまり変わらない事が多いような気がします。
むしろ、セット料金の方が消費者に理解されやすいといったメリットの方が大きいと言えるかもしれません。
しかし、不必要なものがセットされていても無駄なことですから、内容をよく吟味した上で担当者とよく相談しましょう。
ここで言う節約とは、「無駄を省く」と言う意味合いでとらえています。
葬儀の際の葬儀社の役割には二つの側面があります。
一つは、祭壇や棺などの商品の販売や死亡届や火葬場手配といったハード的なもの。
そしてもうひとつは施行時においての状況に合わせた的確なサポートや相談業務といったソフト的なものです。
一般の商品を購入する場合と違って、葬儀の場合は商品を比べてみることもできないし、サービスや質といったものは目に見えない部分である事に加えて、きわめて高額な買い物であるにも関わらず、何度も経験する機会もなく商品やサービスに関しての知識が消費者側にあまりにも少ないのが現状です。
ネットなどで情報があふれていても、あまりに多すぎて何が正しいのかわからないし、同じようなことばかり書いているし、どこに頼めばいいの?ってなりますよね。
できれば、商品に関する知識をしっかりともって、自分たちに必要な物を必要なだけ購入し、しっかりとしたサポートをしてもらえれば、それが一番なのですが、葬儀社に勤めでもしない限り、きわめて難しいと思います。
なんと言っても、良い葬儀社の良い担当者にめぐりあうことです。
そのためには、「事前に行動、準備をする事」
これに尽きます!
(なにも、前もって葬儀の予約をするとか、棺を買っておくとかではないですよ。)
事前に調べておくことでかなりの節約が出来るのです。
そこで、事前相談。
でも、何を聞いて良いのかわからないですよね。
わからなくて、あたりまえです。
一度に全てを理解する必要はないと思います。
そんなときは、素直にそのまま
「何から聞いて良いのかわからないんですが、」と切り出せば良いと思います。
そういった場合、必ずお尋ねすることがあります。
まず、
1.葬儀の形式は、お決まりですか。
仏式なのか神式なのか無宗教なのかといったこと
2.葬儀の規模を考えてみてください。
火葬だけでよいのかとか?お見送りする方の人数など
3.葬儀を行う場所に希望はありますか?
自宅なのかそれ以外なのか、またもしもの時の搬送先など
4.葬儀に際しての要望や希望などありますか?
これは、なかなか一言で答えられませんよね。
だから、いろいろお話ししながら、うかがうんですが・・・
(一番時間のかかるところです。)
5.葬儀にかけられる総予算の希望はありますか?
といったことです。
最初のご相談で、御見積まで進むことは本当にあまりないんですよ・・・
(いきなり、見積してくれっておっしゃる方もおられますが、その場合でもよくよくお話を伺ってからにしています。)
たいていの方は、今のお話をもう一度家族と相談してから、お電話しますって言われてからまた何度かお電話があって、実際のご提案と御見積の作成に至っています。
これが、実際の葬儀ではわずか30分から1時間ほどの打ち合わせで決めてしまわなければならないんですね。
冷静な判断も出来ないうちに、あれもこれもとなれば当然無駄な買い物をしなくちゃいけなくなります。
死を知った直後の弔問では持参せず本来は葬儀の時に受け付けでお渡ししていました。
最近では通夜か葬儀告別式のどちらで持参しても良いと思います。
受付が用意されていれば、受付でお渡しします。
まだ、用意されていなければ祭壇にお供えするか、遺族に直接渡されても良いでしょう。
また、香典の額は、故人や遺族の社会的地位や関係、地域などによって異なりますが、一般的な目安は以下のようになります。
できれば、同じ立場の方に相談して決められるのが良いかと思います。
勤務先の上司:5,000円
勤務先の同僚:5,000円
勤務先の部下:5,000~10,000円
勤務先社員の家族:5,000円
取引先関係:10,000円
祖父母:10,000円
両親:100,000円
兄弟姉妹:30,000~50,000円
おじ・おばその他の親戚:10,000円
友人・知人:5,000円
隣近所:3,000~5,000円
その他:5,000円
仏前(霊前)への供物、すぐに弔問できない時に送る弔電は、速やかに、失礼のないよう手配します。
弔電を打つ際は、名前によみがなも付けてもらうようにすれば、遺族はとても助かります。
お供え物にも、生花をはじめ樒や果物、それ以外にも様々なものがあります。よりご関係の深い方ほどより祭壇に近く、祭壇に近いほど金額も大きくなることが多いようです。
故人、喪主や遺族とお供え物を出される方とのご関係によって予算や種類はまちまちですし、地域をはじめ式場の間取りや宗派によってもお供えの仕方も変わってきます。
ただ、せっかくお供えをしても先方の意向と違ったり、式場の間取りや地域の規約でご迷惑になる場合も決してないわけではありません。
できるだけ、葬儀を出される方のご意向に添えるようにまずは喪主又は遺族の方にご意向をおたずねしできれば、ご不幸の知らせがあったときに予算をはっきりと伝え「色々とバランスもあるだろうからそちらの意向にあったお供え物をしてあげて下さい」と伝えられるのが一番かと思います。
お悔やみの言葉は、取り込んでいる時なのでごく短い言葉ですませます。
月並でも「この度は御愁傷さまです」とか「心からお悔やみ申し上げます」でかまいません。
ひと言添えたいなら、急死の場合は「突然なことでびっくりしました。まさかこんなことになるなんて思いませんでした」「この度は思いがけないことでさぞお力落としのことでございましょう」など。
長く患った場合は「お加減が悪いと聞いていましたが、さぞお力落としのことと存じます」「まだ頑張っていただきたかったのに」など。
長々と病気の話をしたり、亡くなったいきさつを話すのは遺族の悲しみを深めることになるので避けたいものです。
お通夜にしろ葬儀にしろたくさんの人が集まって来ます。
遺族の立場になれば、お相手するお客様は貴方だけではありません。
遺族から手伝いを頼まれたりしない限り、長居をするのは慎みたいものです。
長々と話し込んだり、友達同士で大声で話すなどは、褒められたものではありませんね。また、携帯電話の着信音にも気をつけたいものです。
特に読経中の着メロなどは、KY(空気読めよ)です。
式場に到着したら、必ずマナーモードか電源を切るなどの配慮が欲しいと思います。
また、自宅や集会所を式場にされている場合、車での会葬は、できるだけ控えたいものです。
やむを得ない場合はあらかじめ駐車場の有無を尋ねておくか、駅近くなどのパーキングを利用したいものです。
取り急ぎ駆けつける場合は,平服で良いと思います。
遺族はまだ喪服を着ていませんから、そんなところへ喪服でいっては、死を予測して喪服を準備していたように思われかねません。
地味な色の落ち着いた服であれば良いかと。
アクセサリーなどは外してから伺うようにした方が無難でしょう。
通夜に関しては職場などから取り急ぎ駆けつける場合を除いて、礼服を着ておられる方が多くなりました。
最近の葬儀のあり方が、通夜の弔問(会葬)だけですませる方も増えているせいかもしれません。
男性ならダークスーツあるいはダブルの略礼服に黒のネクタイ、黒の靴。ワイシャツは白無地を着用します。
ネクタイピンはつけないのが通例です。
女性の場合は黒または地味な色のスーツかワンピースと靴、ストッキングは黒か肌色のものを。
アクセサリーは光らないものをつけるのがマナーです。
但し、パールのアクセサリーはつけても構いません。
また、お化粧もひかえめにしましょう。
薄化粧にとどめて口紅は目立たない色にします。
髪型もふだんのままでなく、お悔やみに合ったスタイルにまとめます。
余談として・・・
ところで、私がこの葬儀の仕事にたずさわった頃、男性のスーツのポケットのふた(?)を葬儀の際は中に折り込むのが礼儀と言われていました。
今では、あまり見られなくなりましたけど。
私は今も先輩の教えを守っているのですが、時折、献茶さんから引っ張り出されます。
(かっこわるいらしい・・・)
また、葬儀の際の世話役も礼服を着てもいいのは長老などの偉い人だけで、その他の人は平服でした。
マナーって、多数決で決まるのかな?。
特に葬儀の際は、できるだけひかえめに?
葬儀・告別式でのお別れは、宗派により焼香、献花、玉串奉奠などがあります。
最近では、無宗教葬などにおいて、ろうそくを灯していくなど新しい形でのお別れもみられるようになりました。
仏教の主たる宗派の焼香の仕方を以下まとめてみます。
〔天台宗〕
回数については特に定めがない。
〔真言宗〕
通常3回。仏・法・僧に供養すること、身・口・意の三密修行に精進する事、戒香、定香、解脱香と言 って、自らが戒律を保ち、心の瀞寂を求めることができる功徳がある、と説明される。
〔浄土宗〕
特に定めがない。「真心をこめて一心に」で1回、「身を静めて1回、心を清めるのに1回」で2回、「仏・法・僧への帰依」「過去・現存・未来の衆生に回向」で3回など。
〔臨済宗〕
特に回数にこだわらない
〔曹洞宗〕
2回。1回目は額に押し頂いて2回目はそのまま
〔日蓮宗〕
通常3回。仏・法・僧の三宝供養とも、「空・仮・中の三諦にならうとも言われる。
〔浄土真宗〕
あくまで自分の身心を清めるためとも説明され、香を戴くことはしない本願寺派(西)では1回、大谷派(東)では2回とされている。線香を用いる場合には本数を気にせず、立てないで横にする。
焼香について、自分の宗派に合わせるか、お参り先の宗派に合わせるかは、どちらでも良いと思います。
差し支えがなければ、お参り先のご宗派に合わせればよいでしょう。
キリスト教のご信者がお焼香所でお祈りをする場面はよく見かけます。
また、お焼香は譲り合うものでもありません。
ただ、会葬の人数が多い場合など、できるだけ速やかに終えて次の方に勧めるのがよろしいかと。
献花には特に決まった方式があるわけではありません。
一般には、献花台の横に立った奉仕者から花を一輪受け取り、茎を先にして花が手前になるように献花台に置きます。
神葬祭では玉串奉奠(を行います。
玉串奉奠は、神職から玉串を受け取ったら、
玉串は胸の高さに、左手で葉を下から支え、右手碗根元を上から、やや左高に少し肘を張ってもちます。
神前の玉串実の前に進み、深く頭を下げます。
玉串の先を時計方向に90度回し、左手を下げて根元をもち、祈念をこめます。
右手で玉串の中ほどを下から支え、玉串をさらに時計方向に回しながら、根元を神前に向け、左手を離して右手の下に添えます。
やや前に進んでそのまま玉串案の上に奉奠します。
拝礼は、二拝して、音をたてないように二拍手し、一拝します。
通常、神社や神棚に参拝するときは拍手するときに音を立てますが、葬儀のときは両手を打つ寸前で手を止め、音をたてない拍手をします。
これを「しのび手」と言います。
表書きは宗教によって違います。
「御霊前」は宗教、宗派を問わず使えるとよくかかれていますが、正式には誤りです。
しかし、会葬者の立場に立つと、必ずしも喪家の宗教を理解した上でお参りに行くとは限りませんので、中立的な立場でお香典、お香料などとするのが良いでしょう。
神式の場合は「御神前」「御玉串料」など。
キリスト教はカトリックなら「御ミサ料」。
プロテスタントなら「御花料」となります。
市販の不祝儀袋で蓮華の花の模様があるものは仏式用、十字架模様はキリスト教用。
水引きには白だけ、白と黒、銀がありますが、どれを使ってもかまいません。
水引きの上部に表書き、下側に自分の名前を書きます。
連名の場合は目上の人から順に右から書きます。
袱紗の包み方は慶事とは逆なので注意しましょう。
まず袱紗を角が上下左右にくるようにして広げ、香典袋を表を上にして中央かやや右寄りに置きます。次に袱紗を右、下、上の順に折っていき、最後に左側を折ってはみ出た部分を裏側に折って包み込みます。香典を差し出すときは、包んだ逆の順序にていねいに開き、香典袋の表書きが相手に読めるように向けて渡します。袱紗にはいろいろな色、柄がありますが、派手なものでなければかまいません。紫の無地なら慶弔両方に使えます。
昔からの風習として、御出棺の際に家の前で故人の茶碗を割ったり、火葬場から帰るとお塩で清めたりなどして死に関わることは全て不浄として扱われています。
故人が帰ってこないようにだとか自分の死を故人の霊に伝えるためだとか言われています。
たしかに大切な方を亡くされたご家族の方々にとっては、どうしてそんなことするのか疑問に思われたり、心を悼められる方も少なくはないでしょう。
その昔、ある高僧が病気を広めないようにと「死人にふれたものは海に入って体を清めなさいと教えられたからだ。」とか言われることもあるようですが定かではありません。
また、日本がまだ神の国の時代であった頃の逸話にこんな話があります。
この世界を作った伊弉諾尊、伊弉冉尊という神様のお話です。
このお二人の神様はとても仲の良いご夫婦だったのですが、ある日突然にその奥様が若くして 亡くなってしまいます。
当時はモガリといって今で言うお通夜のようなものでしょうか?ご遺体を何日か特別な場所に御安置していたようです。
悲しみに暮れたご主人は毎日のようにその部屋を訪ね亡き妻にもう一度その部屋から出てきて顔を見せてくれと悲願しました。
ある日、亡き妻は「ここは黄泉の国、今の私はあなたの知っている私ではありません。とても醜くおそろしい姿です。どうかお引き取り下さい。」と主人を 追い帰そうとします。
ご主人はどうしても亡き妻があきらめきれず、「どんな醜い姿であろうがどんなにおそろしいところであろうがおまえは私の愛しい妻。それでもいいから一目顔を見せてくれ。」と悲願しました。
それならばということで、その部屋の扉を開けたところ腐敗して醜く悪臭を漂わせた妻の姿を目の当たりにし、とたんに逃げ帰ったとか。
以来、黄泉の国は不浄の国であるとして、神様は死を忌み嫌ったそうです。
長年にわたって神道は日本の道徳、文化として受け継がれてきたわけでそれらの風習やしきたりはなかなか消せないものかも知れませんし中にはなるほどと思わせる昔の人々の知恵や工夫がみられるところもあります。
ただ少しずつでは ありますが、死に対する考えも見直されるようになっています。
尊厳死や脳死の問題など死について討論される機会もおおくなりました。
ただたんに生きるのではなく生きているとはどういうことなのかを考えるとき死の問題はさけてはとうれない問題です。
愛する家族や大切に思っている人を失うことは言葉に表せないほど辛く悲しいものです。
時に息が出来ないほどに苦しいときもあれば、気がぬけたかと思うほど脱力感に陥ったり。
この遺された人たちが体験する悲しみの過程を「グリーフワーク」と呼んでいます。
悲しみの表れ方は人によって大きく異なります。
悲しみに対してどのように向かっていけばよいのかマニュアルなんてありませんが、以下のことを参考にしてください。
無理に気を張らない
「しっかりしなければ」「がんばらなれけば」と、自らを励ましたりすることは、心に大きな負担になります。
悲しむことを避けない
悲しみは悲しむことによってしか解決しません。周囲の人も辛い死の現実をあいまいにしないことが大切です。
話を聞いてもらう
もし、心を許せる人がいたら、自分の悲しみをぶつけてもよいでしょう。聞く人も上からの目線ではなく、遺族と同じ目線で、耳を傾けるという態度が必要です。アドバイスや説教は不要です。
孤独にならない
しばしば孤独感が強くなり、部屋にとじこもりがちになりますが、気分がいいときは外出も心がけてみましょう。
悲しみの体験を分かち合う
家族の死に出会った体験のある人と接することで、共感し合うことができます。
事務的煩雑さを避ける
死後のさまざまな事務的な処理は煩雑なもので、精神的な負担になります。負担に感じられたら、遠慮なく他の人に代行してもらいましょう。
笑いや休息も必要
悲しみというストレスには、笑い、ユーモア、休息は必要です。
最近、深夜にエンバーマーのドラマを見ました。
若い、ハンサムなエンバーマーが事故でなくなった女性の遺体を生きているかのように美しく修復してしまう・・・とてもかっこよく描かれていました。
「エンバーミング」あまり聞きなれない言葉ですよね。
日本語に訳しますと遺体衛生保存とでも言うのでしょうか。
処置の内容的には遺体に施される防腐処置、殺菌消毒、お化粧などを行い修復します。
その技術の総称を「エンバーミング」と言ってアメリカなどでは、広く行われていました。エンバマーはそのエンバーミングを施す資格を持っている人の事を言います。
長期保存が本来の目的だったようです。
日本では、90年頃から外国人エンバーマーによって行われていたそうですが、広く認知されるようになったのは95年の阪神大震災の時でした。
身元不明遺体の保管や火葬場の不足の問題の時、ボランティアでエンバーマー達が約200体に防腐処置をしたそうです。
今では、保存と言うよりも、事故などで損傷したお顔やお体の修復、あるいは病院での治療や病気によって変わり果てた表情などを元気な頃のお顔に戻すなどといった希望でエンバーミングを依頼するケースも増えているとか。
手術や事故による傷、変形した顔面の修復などは、目に見張るものがあります。
ただし、エンバーミングも万能ではありません。
あまりにも進行した腐敗などは、防臭や保存の処置しか出来ないケースもあります。
遺体の状況によりおおよそレベル4まであり、それぞれに合わせて処置の方法が変わってきます。
でもまだまだ、1%の実施率。
これが、多いのか少ないのかなんともいえませんが、広く認知されはじめたのは確かなようです。
Copyright (C) kissyo.co All rights reserved.